涅槃は遥か先 

気になった事をダラダラと書いてみようと思っています。

ギター愛機紹介その2 ~Fender Precision Bass~

ギター紹介その2と言いつついきなりベースという...

 

Fender Precision Bass

 

現在、使用中の(手元に有る)機材の手に入れた順という事にしたのでこうなってしまうのです。

これはそうですねえ。特に思い入れがあるとかそういう事は無いのですね。
この子を手に入れたときに持っていた、グレコのSG型のギターの方がはるかに思い入れがあります。思い出すなあ...

 

私はベースをたくさん弾こうと思う事がありません。

 

音源を作る際にどうもDAWの中に入っているベース音の打ち込みの音がそれなりのものを購入しなくてはイマイチな気がするのです。

(購入したことないのでわかりませんが)

それだったら、ベースギターが一本あっても邪魔にゃあならないのでは?という事から、たいして考えることなく買ってしまいました。

本当はジャズベースの方がアタック音もゴースト音も派手に聞こえる感じで高音がプッコンプッコンいってて音的には好きな気がします。

でも、それも今では...って感じなんです。

 

というのも、私は以前、ストラトキャスターがどうも好きになれないという時期がありまして。
PUが3つもあるし、そのくせコントロールセレクター抜きで3つしかないし、どうなってんだよ?
と思っていまして、今となっては何ていうか透明感のあるミドルの音抜けが良さそうな、すごく良いギターだなあって思っているんですが、
当時は、「潔さ」ってのが正義だと思っている節がありました。

 

テレキャスターも、セレクターを取っ払おうかと考えていた時期がありました。
リアPUのみで良いのではっていう。

 

そう。キーワードは「潔さ」です。

 

それを踏まえてこのベースギターを見てみましょう。

PUはセンターに一発。
コントロールは、ヴォリューム。トーン。以上。

 

....

 


これ以上の潔さって何ですか?という構成。

音は低音重視の(ベースですから...)パワー重視。


ほらほら。似てるじゃあないですか、あいつに。

そういう子好きなんですよ私は。

 

カスタムも一切していません。
買ったときのまま。

もしも今買うならば、すごく迷うと思います。
ジャズベースの方が小器用にセッティングできるし、そっちを選んでいる可能性は高いです。

けれども不器用なイメージのある、このプレシジョンべースの感じもすごく好みです。

 

ベースの必要性が私の場合、DTMというか宅録のベーストラック専用なので、そういうパンキッシュな突き抜けたところの趣向とかより実用性のジャズベースを選ぶべきなのかもしれませんが...

ともあれ、この子がいるのだから2本目のベースを購入候補には全く上がらない状況です。

 

ベースと言えば。ベースの目立ち方っていろいろあると思うのです。
Red Hot Chiri Peppersのフリーを思い出してしまうようなスラップで打楽器として成立しているようなベースもすごくすごく憧れます。

 

一方でここ最近、R.E.M.を聴き直しているという事があって気が付いたのです。
R.E.M.と言えば、オルタナティブというジャンルというかそういうカルチャーを体現しているようなバンドだと思っていて、
私は英語を深く理解できていないので歌詞を全て聴き取って理解することができないのですが(一説にはマイケル・スタイプの歌い方はネイティブアメリカンでも聴き取りづらい時期があったそうです)
ただただ曲が好きという事で聴いてきたバンドです。
結局私は90年代から00年代に青春期を過ごしているので、基本的にロックアイコンというかヒーローはニルヴァーナかなあ...となりますけれども絶対このバンド!という激押しがあるわけでもないのです。
オアシス、レイジ、レディオヘッドU2マニックスレッチリメタリカ、コールドプレイ、ミューズ、ペイブメント、ストーンローゼス・・・・
パンクのバンド以外でもすごく好きなバンドはたくさんあって、フェイバリットはとても難しいのですが

 

R.E.M.は最初に挙げたいバンドのひとつです。
実を申しますと、R.E.M.との出会いは「Monster」です。

 

Monster

 

それ以前のR.E.M.は好きなのですがそんなに思い入れがあったとは言い難いです。
名盤「Automatic For The People」はレンタルで何となく聴いてそんなに聴き込んでなかったのです。

 

Automatic For The People

 

しばらくたって、「New Adventures in Hi-Fi」が出てそれを買いました。
最初やっぱりさらっと聴いてそんなに執着していなかったのですが、回数を聴けば聴くほどアルバム自体が好きになっていきます。
いつしか、私の好きなアルバムのトップ10に入るアルバムとなりよく聴いていました。

 

New Adventures In Hi-Fi

 

そこから「UP」や「Around The Sun」などアルバムが出るたび買ってはいましたが、そんなに執着せず...
たまに「New Adventures in Hi-Fi」を聴く程度になっていました。
しかし、異常なほど何度も聴いているのにこのアルバムに関して一向に飽きが来ない事に妙な違和感を覚え、それ以前のR.E.M.を改めて聴き直す気になってきました。

いろいろ調べてみたら、一般的に「New Adventures in Hi-Fi」というこのアルバム。もちろんR.E.M.のアルバムである以上最大限の評価はされているのですが(更にビル・ベリー脱退前の最後のアルバム)
R.E.M.のアルバムの中では比較として高い評価を得ているわけではないようでした。
私はこのアルバムが本当に好きなので、愕然としながらも、他のアルバムへの私の今までのアプローチを反省しつつ「だとしたら、他のもしっかり聴いたら全部好きなんじゃねえの?」という疑念が浮上します。
改めて特に評価が高いとされている「Automatic For The People」を聴いてみます。

 

「...なんだ...これは...」メチャクチャ良いではないか!なぜ過去の私にはわからなかったのか。
今の私には一巡しただけではっきり名盤とわかるアルバムです。
「Monster」のイメージで聴いた当時の私では良さに気が付かなかったかも知れません。
確かに一瞬で引き込むようなキャッチ―なフックの強いような曲(飽きが来てしまうような?)ではないかもしれませんが(何度か聴いていたら強烈なメロディや曲の良さに驚きますけど)
全体通してすごいアルバムです。これで確信します。

あ、R.E.M.全部好きだ。

好きだ好きだと思っていたけど思っていた以上に好きになれる自信がある感覚です。

そこでデビューアルバム「Murmur」からすべてを好きなアルバムにしてやろうと聴き返し始めました。

 

MurMur


ううむ。良い。好きだ!
今のところ、IRS時代の3枚目までは確実に好きになっていて比較的評価の高いIRS時代の4枚目、5枚目に不安はないし、
「Green」からのR.E.M.4人態勢時代の5枚なんて既に全部好きと断言しても良いレベルだし、心配なのは「Up」と「Around The Sun」を聴いたことあるのですが、
その後の4枚くらいかな。そっちも大した不安はありません。造り手を信用できている状況なのかと思います。

 

と、ベースの話に戻りますが。
このR.E.M.の「Murmur」という名盤。
物凄く物凄くベースがメロディックなんです。

そもそもR.E.M.はM・スタイプ以外の3人がスタジオに入り曲を作り上げるんだそうです。
その音源をM・スタイプが聴いてそれにヴォーカルメロディと歌詞をつけるという製作方法がスタンダードなんですって。

それって、印象的なギターリフもメロディックなベースラインも、確実だけどオカズもおしゃれなドラムパターンも最初にアレンジが出来ちゃっているってことですね。
まあ後から、ヴォーカルメロディに合わせたそういう修飾はするにしても、おおよそのアレンジのイメージが出来ていると...

 

改めて奇跡のようなバンドだと思います。
あの素晴らしい楽曲が持つ雰囲気は確実に4人で形成しているのです。

 

youtu.be

いわゆるヴォーカルメロディを外してバンドの演奏を聴いているとギターとベースが変わる変わる主旋律を取り(どれが主旋律と言えるのかは主観かもしれませんが)
それらとは独立した美しいヴォーカルメロディラインが、私はあえてそう表現したいですが、美しいM・スタイプのヴォーカルに彩られ、違った声質のやはり美しいマイク・ミルズのコーラスで更に彩られる。
少なくとも楽曲の中ではイニシアチブを取っている人がはっきりしていないあくまで民主的なバンドだという逸話は本当なんだろうと想像できます。

歌詞がありメッセージ性が言語という形で表出する部分があるので楽曲に大きな表情を与えるのはヴォーカリストであるM・スタイプの功績は大きいのかもしれませんが、
M・スタイプは3人の紡ぎだす曲にインスピレーションを受けているでしょうから本当の意味でイニシアチブを取っているわけではない訳です。

ん?結局またR.E.M.の話に戻ってしまった...
そうです。マイク・ミルズのベースライン。すごくメロディックで美しい。これなんですよ。たぶん私の好きなベースの音って。

 

よく、ベースは打楽器に近いと言われます。私もそう思います。
リズムを支える部分が要素としてとても強い。
基本要素が低音が主だからでしょうか。
でも、楽器にはっきりとした音階がある以上メロディックであって悪いことなど何もない。
そこにパワーがあって悪い事は無いのです。

ベースへの造詣が深くない私は、スラップが派手で良いなあ。と思っていました。
それならジャズ・ベースミュージックマン・スティングレイみたいな高音出しやすい、というかアタック音の目立つ楽器の方が良いなあ...となんとなく思っていたのですが、
今になってマイク・ミルズのおかげでプレシジョンべースってアリっすよね。と思います。