ギター愛器紹介その1 ~Fender Telecaster~
かつて、ギターを買ったり売ったりあげたりして手元を通過していったギターは何本かありますが、今、手元に有ってそれなりに使用している楽器を手に入れた順に紹介していく事にしました
さて、今回はFender Telecasterです。
というかこのギター。最初からこんなのでいけませんが、いつ、どうやって手に入れたのかと言うところはあまり確かではありません。
・大学時代の先輩の引っ越しの時にもらった。
・リサイクルショップで買った。
という2通りの記憶がどちらもハッキリしない感じであります。
何となく、同期のギターを弾かない友達にジャンケン勝負の末敗れ貰う事が出来ず、悔しくてリサイクルショップで買ったような気がするのでそれでいきます。
なぜ、そんなに悔しかったか、というのにはそれなりに理由があります。
このギターは手に入れたときはピックガードが黒いとてもテレキャスター然とした、たたずまいだったのですが、この色と形。定番でありつつ私は最大限の憧れをこのギターに抱いていたのです。
つまり私は完全なるTelecaster党です。
そのルーツは中学生の時に遡ります。
当時、私はTM networkというミュージックグループが好きでした。それについて特に言及は致しませんが。
そんな私は、「洋楽」を聞いてみたい欲求にかられたのです。
今となっては「洋楽」という言葉の意味も良く解らないと感じますが、とにかく日本語の歌で、クラスのみんなが聴いているような「流行りもの」じゃなくホンモノ(それが何なのかは未だに解っていませんが)のヤツが聴いてみたい。となったのです。
と言っても、今の様にサブスクがあってなんでも聞き比べる事が出来た時代ではありません。
更にドが付く田舎に住んでいた私です。
そういったCDを購入する店は一店舗しかありませんし、当時はレンタルなどという気の利いた制度もありませんでした。
音楽を聴くには情報が無い中CDを購入するほかないのです。
とにかく、ジャケ買い命な訳です。
その時、私が「えーい!ままよ!」と買ったCDはというと。
BOSS ブルース・スプリングスティーン のLucky Townというアルバムです。
この選択。今の音楽好き、ロック好きを明言するに至る私のルーツと言っても過言ではありません。
なんとも、素晴らしい。中学生の私を褒めてあげたい。
このCDについて話を始めるとちとギター紹介と大きくずれを産むことになります。それはまたの機会に。
このCDが好きになり、そこからブルース・スプリングスティーン熱狂時代に入っていくのです。
その途中に名盤「Born to Run」に出会う事になります。そのジャケット写真にブルースが持っているギター。
それが「Fender Telecaster」だったのです。
(正確にはブルースの持っているのは、「ブロード・キャスター」といってテレキャスターの前身のようですが...)
木目のクリア塗装のボディに黒いピックガード。ブルースの革ジャン。
何もかもがカッコイイ。
今でもこのジャケット写真は息をのまみす。カッコいい。
曲も素晴らしいし、和訳を見て涙するようなストーリー性もすべて正義だったのです。
私がギターを所有する事。それはつまりテレキャスターを所有することなのです。
リサイクルショップで買ったものなので、(もしくは先輩の貰った物)まあ、状態はそんなに良くないです。
それでも確か、2000年代前半にはまあまあ調子よく使っていたんだと思います。
いわゆるMTRを使用して宅録していた時もあったわけですし。
その時にピックガードを黒からべっ甲色に変えました。
何となくブルース・スプリングスティーンの支配下から抜け出したのでしょうか。
そして後に紹介する#425の購入と共にハードケースに仕舞われ、ゆうに十数年の寝かされ時代に入ります。
その間にアップルミュージックに加入。
音楽を聴くという行動そのものの根底をひっくり返すようなこの「サブスクリプション」という概念。
そのおかげで私はよりたくさんのジャンルの音楽に触れる事が出来るようになりました。
そしてエレクトリックギターのそれぞれの特徴ある音の違いの魅力をより敏感に感じられるようになってきました。
おまけにPCで簡単に音楽編集ができる環境。
ここにきて、テレキャスターをもう一度使ってみようという気になってきました。
その時点で引っ張り出してきて、試しにプラグドイン!
何が原因かその時は解りませんでしたがあり得ないノイズ。
壊れている!と思いました。
さてそこからはボリュームポッド買ったりセレクタースイッチ買ったりコンデンサー買ったり、電子工作期間。
その間もとても楽しかったなあと今は思います。配線の方法とかノイズ対策とか調べたりして。
まともに音が出なくて泣きましたが。
PUはテスターでみた感じでは全く生きているようで、コントロールの部品はすべて総取り換えしました。
その改造の中でオクターブチューニング対策でGotoの6連サドルに変更しました。(3連が王道)
あと、Gibsonファイアバード用のシールドジャックステー。(独特の引っ込んだジャックステーが通常)
「テレキャスター警察」には完全に捕まる案件です。
ごめんなさい!出来心です!
我ながらカッコ良いテレキャスターだと思っています。
ノイズもほとんど気にならないくらい軽減され、テレキャスターらしい硬派な音になっています。
でもフロントPUの頼りなさはいかんともしがたいですね。
本当にフロントハムは理にかなったカスタムだと思ってしまいます。
でも、私はコレで良いです。
シングルコイルが好きなんだと思います。
ストラトも所有していまして、(そちらの紹介はいつかまた)やっぱりリアPUがショボく感じでしまいますが、SSHにしたいとは、あんまり思わないんですよね...
このテレキャスターは今更手放そうとはこの先思わないと思います。一般的なモノとしての価値はごく安いものだし。
売ってすごいお金が手に入るなら解りませんけど、そういう社会的価値って部分ではガラクタレベルですからね。
でも私にはかけがえのない一本なのです。
お気に入りっていうのはそういうものなのでしょうね。