涅槃は遥か先 

気になった事をダラダラと書いてみようと思っています。

Work Boots 愛好記 その1 ~Red Wing #8270~

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Red Wing #8270

私はワークブーツが好きです。
すごく好きなんですけれどコレクターみたいな感じではありませんので沢山は所有していません。

 

好きなだけにブーツは履いてこそその真価を問われると思っており、
何だか履かない(履けない)ワークブーツを所有していることはいけない事をしているような気がします。

 

このブーツに関して、何となくの罪悪感を感じながら長い期間を過ごしていました。

 

時は1998年。私は日本の北部に位置するとある地方都市に住んでいました。

 

私は学生の頃、バイクの免許を取りました。

バイトをしてバイクを買い、革ジャンを買いました。その流れで、ブーツも・・・

そんなことで、憧れのRed Wingを購入しようという発想になりました。



私には当時はっきりと憧れがあり、今では不思議に思ってしまいますが、

RedWingのオリジナルソールのパターンがなぜだかとても格好良く見えていました。

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#8270のソール... こう見ると結構減っているなあ...


今はもうソールがすり減り気味で今となっては、何に憧れていたんだか良く解りませんが、RedWingのブーツにはRedWingのオリジナルソールが付くので、なんだかそのブーツがRedWingである事をソールが証明しているような、そんなところが良かったのかもしれません。

 

この時代のエンジニアブーツはPT91という安全基準で製作されていました。
その安全基準自体はどうだというのは無いのですが、製作されていた年代を特定する上でよく使われる指標です。

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タグ。PT91と書いてあります。



当時の私の憧れとは別に、このPT91世代のRedWingのエンジニアブーツのフォルムがとてもカッコイイと感じます。
今の#2268とか、しっかり実物を見たことはありませんが、写真で比較すると個人的にとてもPT91の形がカッコよく見えています。
これに関しては私個人的な見解だと思いますが、すごく形が好きなのです。

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左足

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右足

更にこのPT91の安全基準の時に製作されたエンジニアブーツはランダムに茶芯の革、灰芯の革で製作されたものが存在するらしいです。
茶芯とは、革の芯まで黒く染まっておらず経年変化によって結果的に芯部の茶色がウッスラ出てくる革で、マニア垂涎(?)らしいです。
対して灰芯とは、革の芯まで黒く染色されていて、経年変化ではウッスラグレーに見えるという・・・
まあ、普通の革なんでしょうなあ。
そんでもってこのPT91の茶芯というのは中古市場で灰芯と比較するとかなり割高の強気設定なんですよ。
つまり、今でもこの古い茶芯のブーツが一定数の需要を持っているという驚きの状況なのです。
当時の私は「ソールが...」とか言っていましたが、今の私の感性では形が良いと思うし、今の市場では「茶芯が...」なんて言われているという、そういう価値観の代物です。

 

しかも一説には新品時では茶芯なのか灰芯なのか見分けが付かないという。大体、私自身は、茶芯だとか灰芯だとかいう概念さえ知りませんでしたが。

 

かくして私の愛用品はというと...うーん。灰芯かもわからんですな。
何となくヒール部分茶が出てるような気もしますが。

 

まあ、実際、茶芯だろうが灰芯だろうがこのブーツが好きな事には変わりがないのだから、どうという事は無いのです。
売るつもりも一切ないし。

 

しばらくの間このブーツを眠らせるという罪悪感の根本になってしまう生活を送っていた理由ですが。
私は足の甲がワリカシ高めなのかこのPT91のフォルムがそうさせるのかは定かではありませんが、このブーツは圧倒的に脱ぎ履きしづらいのです。
履くときは、息を止めて顔を真っ赤にして履き口部分を引っ張りつつ足をねじ込む工程が必要だし、脱ぐときはブーツジャックが無い場合はヒールのケツハチ部につま先部のソールをひっかけて、
やっぱり真っ赤な顔で踏ん張らないと脱ぐことができないありさまなのです。
靴の脱ぎ履きを常とする文化の日本の生活環境ではこのブーツを履きこなすのが難しいのです。
そのせいで、何となく休日も敬遠しつつ埃をかぶることになっていったわけです。

 

しかし私のRedWingの最初の一足であるこの#8270をこのまま下駄箱の肥やしにするのはいかがなものかと、ここ最近私は仕事中に履き続ける環境を構築しました。

 

そもそも学生時代には一生懸命履いてとても良い経年変化を重ねていたのですが、ここ20年ほど数カ月寝かせてオイルアップしてみたいな事を繰り返していました。
会社では靴の脱ぎ履きは割と頻繁で現場では汚れたり傷が怖くて履けませんでした。しかし、今の環境ではこのブーツを履き続けられるようにしました。

 

あまり履けていなかったので、購入から24年経過していますが、ソール交換はまだしていません。
少し、ソールの加水分解が不安です。いっそのこともうソール交換してしまっても良いのかもしれません。

 

しかしながら、今は毎日履いています。数カ月修理屋さんに預けるのも嫌だなあ。という事でとにかく履けるうちはどんどん履いていこうと思うのです。
次にオールソールするときはVibram#100という手は無いかと思案中です。
でも耐油性能はマストなんだよな...

 

どうもRedWingのエンジニアではあるあるのようですが、アキレス腱の位置にほつれがあります。

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アキレス腱部分のほつれ。見づらくてすみません。

こちらも直してもらえる修理屋さんに持って行ってやってもらおうと考えています。
この写真を残しておいて数年後に見比べるのも面白いかもしれませんね。

 

今後は他の愛用ワークブーツを含めたまに更新できたらと思っています。